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月刊プロパティマネジメント 2004年11月1日(月)掲載
名古屋における不動産投資市場の牽引役としての
大きな期待を背負う トーシン



 以上のように、名古屋をベースとする企業においても、流動化・ファンド事業に取り組む企業は徐々に登場しはじめているが、そのなかでも、“異端児”と評価され、注目を集めているがトーシンである。  同社は携帯電話専門店舗開発・運営(62店)のほか、カフェ、鍋物店などの飲食事業も展開する一方、不動産賃貸事業としてマンション(約100戸)、オフィス・商業テナント(1,220坪)を展開する大証上場企業(2000年)。おそらく名古屋初となる賃貸マンションの開発型流動化事業に参入し、これまでに2件の実績を有している。  
 実行にあたってはアレンジャーに頼ることなく独学で手法を研究。万全のバックアップ体制が構築されたスキームと収支予想などが評価され、ノンリコースローンを得るにいたったという。  
 その第1弾となるのは、2005年7月竣工予定の「さくらHills ARATAMA」。同社が取得した旧三和銀行新瑞穂橋支店跡地に開発される。敷地面積1,174u、総事業費は約16億円の規模とされるが、SPCはUFJ銀行によるノンリコースローンと、メザニンローンにて資金調達。トーシンは5%以内の出資にとどめ、オフバランス化を実現するというもの。全60戸、2LDK〜3LDKを主タイプとするが、ルーフガーデンや中庭が設けられるなど、名古屋市では希少性のある高級タイプの賃貸マンションとなる。なお1〜3階はカフェや美容院が入居する商業部分となる。  
 第2弾の開発型流動化案件は、06年竣工予定の「さくらHills IZUMI TOWER」。その名が示すとおり、地下1階地上21階建てに140戸ほどが配される予定(敷地面積1,145u)である。総事業費は約25億円を見込む。本件も高級タイプとされるが、24時間対応のコンシェルジュサービス、屋上にはスカイラウンジやヘリポートの設置なども計画されているようだ。  
 また上記以外にも、今年度中に、30億円規模の賃貸マンション開発型案件や、バリューアップ余地を見込める栄の商業ビルを約40億円で取得する計画が進行中。加えて来年度も100億円レベルでのSPCを活用した不動産投資が予定されている。  
 これらは、同社に持ち込まれた300億円規模の案件のなかから同社がセレクションしたものだが、ほとんどが栄周辺のみの案件というから驚きだ。従って、地銀関係等を含む金融機関からの出物も含まれることは想像に難くないが、そもそも名古屋をベースとする不動産会社のなかで、受け皿となる会社が見受けられないため、水面下で、かつ相対で同社が独占できる状況にあるのであろう。  
 さてそうなると、同社にはREITやファンドが取得した名古屋の物件の貴重な出口先としての期待も寄せられようが、その意向はないとする。というのも、名古屋に投資するREITやファンドの相場観は、地元で、かつその物件をよく知る同社からするとやはりかけ離れすぎていると感じるためとする。従って、同社として逆に彼らを出口先として活用した方針。同社が投資する開発案件は、新築時で9%以上(しかもサブリース付き)でまわるとし、出口における自信をのぞかせる。  
 これら実績とこれまで積み上げてきた信用力から、商社や大手リース会社などからの提携依頼も後を絶たないとする。昨今は、東京の案件まで同社に持ち込まれるというが、土地勘のないエリアにおける不動産投資を実施する予定はない。ただし、名古屋の物件に対しては確度の高い投資判断ができると自負しており、前出の提携依頼してきたなかの1社とは、年内に「名古屋ファンド」を立ち上げる予定だ。ゴルフ場への投資も視野に入れるなど、名古屋における不動産投資市場を牽引していきそうな気配である。
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