中日スポーツ 2005年11月7日(月)掲載 ランク4位から大一番に挑んだ立川祐路/高木虎之介組(スープラ)が奇跡を起こした。大雨で39周に短縮されたレースで抜群のピットインを行いシーズン最多勝タイとなる今季3勝目。ランク首位だった伊藤大輔/R・ファーマン組(NSX)が12位に沈み、14ポイント差をはね返してドライバーズタイトルを手にした。最後まで攻めた本山哲/R・ライアン組(フェアレディZ)が2位に入りNISMOがチームタイトルをゲット。300は佐々木孝太/山野哲也組(MR-S)が3位に入りタイトルを獲得した。(観衆=3万3500人)ライバル悪天候に沈む 今季を締めくくる一戦は「ZENTセルモスープラ」に追い風が吹き続けた。レース直前に大雨が降って30分以上も遅れてセーフティーカー(SC)スタートとなり、16周目に絶妙のタイミングでSC導入。必勝、そしてライバルが下位に沈むという厳しい条件を、すべてクリアしたのだ。 「走っている時は周囲がよく分からなかったが、とにかく勝たなければならなかったので精いっぱい頑張っただけ。3勝目もうれしいが、勝って決められたのは本当にうれしい」。01年以来、2度目のタイトルを劇的な展開で手にした立川は興奮気味。周回遅れに絡みNISMO1号車に攻め立てられたが、しのぎ切った走りが光った。 ランク首位に14ポイントの大差を築かれた最終戦。その苦境が2人を逆に落ち着かせた。初日フリーは3番手と完ぺきな滑り出し。予選も立川がこん身の一発で今季2度目のPP。決勝は5周終了時点のピットインがSC導入に重なり、大きなアドバンテージへ。与えられた仕事を全うすることだけを考えた2人に大きな勲章が転がり込んできた。 4年間の米国レース活動を終え、5年ぶりに全日本に復帰した虎之介は初年度でいきなりGTタイトルをゲット。 「帰ってきていきなり大舞台のチャンピオン。自分はもちろん、チーム、そして立川の4年ぶりのタイトルに貢献できて良かった」と、穏やかな表情で快挙の一年を振り返った。 初体験に近い市販車ベースの“ハコレース”は、フォーミュラ一筋の虎之介には大きなハードルだった。それも実績のある立川をサポートするという未経験の立場。が、終わってみれば完ぺきに仕事をこなせた。シーズン最多タイとなる3勝がすべてを物語っているのだ。 「こう出入りが多い(3勝以外は入賞1回のみ)展開は想定外。来年は確実性もプラスしたい」。立川が早くも来季の構想をぶち上げた虎之介とのコンビ。GT最強ペア誕生の瞬間だった。 |