日刊スポーツ 2006年6月26日(月)掲載
藤田涙の初V 「藍・さくら世代」に新星
「ハンディ2」父と二人三脚1000ラウンド「次はサイキ」同期さくらの言葉にノった!!
日本女子ツアー【プロミスレディス】<最終日>◆25日◆兵庫・ウォーターヒルズGC(6465ヤード、パー72)◆雨、気温21.4度、風速1.2メートル◆賞金総額8000万円、優勝1440万円◆63選手◆観衆4663人
「藍・さくら世代」からニューヒロインが誕生した。藤田幸希(20=TOSHIN)がツアー初制覇を果たした。首位スタートから71で回り、通産10アンダーで並んだ古閑美保(23)をプレーオフで破った。「日本女子プロゴルフ協会非会員」のツアープロによる優勝は、日本人では同級生の宮里藍(21)に続き2人目。ゴルフ歴6年弱の新星が、同い年のヒロイン2人の後を追う。2週連続優勝を狙った横峰さくら(20)は6打差10位に終わった。
プレーオフ制した
愛らしいルックスが、雨と涙でくしゃくしゃになった。藤田の泣き顔は輝いていた。プレーオフ1ホール目の18番ミドル。「入って!」5メートルバーディーパットがスライスしてカップに沈むと、天に両手を突き上げた。「みなさんの声援と、家族の支えのおかげ。今までで一番うれしい。」ニューヒロインはしばらく泣きじゃくったままだった。
勝負強かった。2位の古閑に2打差リードでスタートしたが、3番ミドルで今大会初のボギーをたたいて並ばれ、逆に16番まで2打差をつけられた。1打差を追う最終18番。第2打をピン右1メートルにつけ、追いついた。「長かったし、苦しかった。」前日24日から初の最終組ラウンドが続いた。追われる立場の緊張をねじ伏せた。弱冠20歳の新星が、3歳上の実力者・古閑との「美人プロ対決」を制した。
藤田の父健さん
うれしくて鳥肌が立った。相手のミスではなく自分で勝ったのが大きい。これからますます進化できると思う。教えてる私が一番嬉しいよ。初優勝っで特別ボーナス?それはありません。
ツアープロ2人目
父と二人三脚で、藍とさくらの背中を追ってきた。ハンディ2の父健さん(51)の指導で、本格的にゴルフを始めたのが14歳秋。最初は嫌々だったが、中3で出場した全国大会が転機になった。当時のスコアは80台がやっと。60台を連発する宮里と横峰を間近に見て、衝撃を受けた。「すごい子がいる・・・。」のめり込んだ。父を相手にこれまで1000ラウンド以上もの“対戦”を重ね、腕を磨いた。「まだ3回しか勝ってないんです。」優勝を決めるとグリーン横にいた健さんの胸に飛び込み、きつく抱き合った。
前週の試合後に、優勝したら横峰から「次はサイキの番だよ」と言われた。「あれで本当に勝ちたいと思いました。これからは、さくらちゃんと2人で盛り上げていけたら。」20歳の新星は、日本の女子ゴルフ界をも背負って立つ意気込みだ。
私も緊張した
2週連続Vを逃した横峰は同級生の勝利を祝福した。この日は3バーディー、1ボギーの70で回り、6打差の10位でフィニッシュ。パットでは「カップに入るまで顔を上げないことをテーマにしてよくできた」と収穫を口にした。ホールアウト後は藤田の応援に駆けつけ「私も緊張しちゃった」と抱き合い祝福、自分のことのように喜んだ。
【藤田 幸希(ふじた さいき)】ゴルフ歴は6年 帽子にバッチ・ディープインパクトの大ファン
◆出身:1985年(昭60)11月22日、静岡県沼津市生まれ。◆ゴルフ歴:14歳秋から。横峰が優勝した02年日本ジュニアで7位。昨年に非会員登録選手としてプロ転向。昨季は賞金549万4400円を稼ぎランク76位。◆武器:ドライバーは250ヤード超の飛距離。弾道の高いショットも得意で、この日同組だった大山も「ラフの打ち方は今まで見た人の中で一番うまい」と舌を巻いていた。◆おこづかい制:今年からの父との「契約」で、予選落ち=0円、予選突破=3万円、ベスト10=5万円。優勝は30万円で、使い道は「洋服とネイルと美容院」の予定。◆ディープ:ディープインパクトの大ファンで、この日も帽子にピンバッジ。「(宝塚記念は)見れなかったけど、ニュースで一緒に取り上げられたらうれしい。」◆:勝負カラー:この日も着ていた水色。「さわやかだから好き。」◆サイズ:170センチ、55キロ
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