日刊スポーツ 2007年6月25日(月)掲載
桃子にプレーオフ勝ち!!連覇藤田幸希 幸が降って来た!!
POは木に当てラッキーパー!!18番で2度泣いた!!





 【プロミスレディス】<最終日>◆24日◆兵庫・マダムJGC(6499ヤード、パー72)◆賞金総額8000万円(優勝1440万円)◆観衆2045人

 藤田幸希(21=TOSHIN)が涙の大会2連覇を飾った。4打リードでスタートし、上田桃子(21)の猛チャージに1度は逆転を許す苦しい展開。だが、最終18番のバーディーで通算6アンダーと追いつき、プレーオフ1ホール目で振り切った。プレーオフでは木の枝に第一打を「アシスト」される幸運も重なり、ツアー通算2勝目を劇的な再逆転劇で手にした。上田は出場49試合目で生涯獲得賞金が1億円を突破。史上3番目のスピード記録となった。

 ラフじゃないヨ
 
なんて運だ。プレーオフの18番パー4。藤田は第1打を引っ掛けた。左サイドは猛烈なラフ。グリーンは狙えずフェアウエーに出すしかない。ところが第2打地点に行くと、フェアウエー横のセミラフにボールがある。「『木に当たって止まって〜』と願っていたけど」。まさか本当に木の枝に当たるとは・・・。第2打でピンが切られたグリーン上段をとらえパーセーブ。ボギーの上田を振り切った。
 正規ラウンドの18番もツイていた。第2打をピン右5メートルへ。「どこかで見たラインだ・・・」。昨年大会のプレーオフで勝負を決めるバーディーを奪ったフックライン。しかも先に打った福嶋のパットがほぼ同じラインで、参考にできた。劇的な“同点バーディー”を決めて、藤田は「すごい!」と早くも泣き出してしまった。

 全部、私の味方
 
大会2連覇はもちろん、ツキだけではない。昨年優勝時から痛みがあった左ひざが、炎症を起こして悪化。昨年の夏場は足を引きずりながらツアーを転戦した。オフは「患部を鍛えて、治そう」と父健さんらと相談し、生まれて初めてジムに通った。今年1月には1ヶ月、栃木で冬ごもり。クロスカントリーで10〜20キロを連日走り回った。スタート時の4打リードを上田に逆転された15番で「私がバーディーを取らないと勝てない」と開き直った。つらさを乗り越えた分だけ、強くなっていた。
 ロングパットが決まった。ミスが大ミスにつながらなかった。不思議な3日間を終えて藤田は「このコースと大会は全部、私の味方でした」とつぶやいた。今後は別の大会で勝つ。今季の目標「年間3勝」へ「昨年はここがピーク。でも、今年はここからです」と声を弾ませた。

 2人目の珍ケース 同一大会でツアー初優勝&2勝目
 藤田は昨年のプロミスレディスでツアー初優勝して、同2勝目を大会連覇で飾った。これは日本人では山崎千佳代に次ぎ2人目という珍しいケース。山崎は89年のウイングフィールドカップ石亭レディスと、大会名が変更された90年のSAZALEクイーンズでツアー1、2勝目を挙げた。

 【藤田幸希(ふじた・さいき)】
 
1985年(昭60)11月22日、静岡県沼津市生まれ。中2の14歳からゴルフを始め、高3で関東高校選手権に優勝、関東女子アマ準優勝。卒業後の04年にプロテストでなく、ファイナルQTに55位で合格。昨季のプロミスレディスで宮里藍以来2人目の「LPGA非会員V」でツアー初優勝し、賞金ランク24位でシード取得。170センチ、55キロ。