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中部経済新聞 携帯電話販売の現状、不動産とリゾート事業の計画

2019/05/29



携帯電話販売の現状、不動産とリゾート事業の計画



 移動体通信事業を主力に不動産、リゾートと多角化を進めるトーシンホールディングス。移動体通信は東海地区を中心にauショップ26店、SoftBank36店、UQスポット2店、Y!mobile2店の計66店を展開している。スマホ・携帯販売市場の成熟化が進む中、昨年5月に持株会社に移行した。携帯電話販売の現状、不動産事業とリゾート事業の計画を石田信文社長に聞いた。

 

―昨年5月1日に持株会社体制に移行した。新たな体制で変化は起きているか。



 「各事業の権限と責任がより一層明確化されたことで、社員の責任感が強くなったと感じている。今後も頑張っている社員にやりがいを感じてもらえるような職場環境を整備していきたい」

 

―移動体通信関連事業は、今年10月に楽天が参入する、5G実用化など社会インフラとしての携帯電話の役割がますます高まっている。販売店として利用者に価値を提供していくにはどのような事業展開が必要か。



 「移動体通信事業のセグメントの売り上げは前期並みになりそうだ。厳しい顧客獲得競争を勝ち抜くために、収益性の見込めないところは整理し、集客力のある店舗を順次改装していく」
 「これからの店舗は、開放的な内装に十数台止められる広い駐車スペースが必須。このほど改装を行ったauショップ桑名サンシパーク(三重県桑名市)は、増床して広々とした待合スペースや子ども連れでも来店しやすいようキッズスペースを設けた」
 「秋に開業する『ららぽーと沼津』(静岡県沼津市)にもauショップの出店を予定している。今後も集客力のある大型施設内に規模の大きな店舗を展開し、顧客に選ばれる店舗運営をすすめる」

 

―「さくらHills NISHIKI Platinum Residence」(名古屋市中区錦)が2020年2月に完成する。今後の新規物件や投資対象として注目するエリアは。



 「高級賃貸マンションシリーズ『さくらHills』は建設中の「さくらHills NISHIKI Platinum Residence」の完成をまって、次の案件にとりかかる予定だ。近年、開発の進む常滑市りんくう町で新たな用地取得を計画している。りんくうは2カ所で計1600坪ほど、投資規模も大きくなりそうだ。客層は中部国際空港や近隣の会社の社員・役員を見込んでいる、このほか旧本社跡地の名古屋市中川区八田町にも投資を考えている」
 「その他の投資物件も順調に収益を伸ばしている。買収の案件も幾つか上がってきている。新たな投資対象としては、名駅や栄など人が集まる地域の地下鉄駅周辺に注目している」

 

―ゴルフ場などリゾ?ト事業の状況や新規事業への取り組みは。



「昨年の台風や猛暑によって岐阜県内の2つのゴルフ場は大きな被害を受けた。今年はインフラ整備、グリーンの整備を優先するため、新たな投資は控えめだ」
 「このような中、4月より伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部の経営権を得て運営を開始している。来年は国道23号名豊道路が全線開通し、渥美半島へのアクセスも格段に向上する。今秋には伊良湖岬で温泉の掘削が始まるなど自治体も観光に力を入れており、将来が期待できる場所だ。このほか、愛知県内大手ゴルフ練習場の買収も計画している。
 「移動体通信事業の店舗展開、不動産事業への投資等で、あと2~3年は投資が収益を上回るとみている。当社は来年創業40周年を迎える。新たな事業も計画中だ。さらなる飛躍に向けてこれからも新たな挑戦を続けていく」